バイオ産業は台湾の国策

2021年07月06日

東京では、梅雨末期の長雨と豪雨で各地に被害を及ぼしています。
特に数日前に起きた熱海の土石流はショッキングでした。犠牲になられた方々のご冥福を祈りますとともに被災者の方のご無事を願っております。

台湾の総統の蔡英文さんも日本に対しての支援をいち早く表明頂きました。近くに信頼しあえる国があることは有難いことです。

台湾では、バイオ産業を三大政策の目玉として、5大主要産業のひとつに数えています。 台湾のバイオ産業の育成は、かなりシステマチックで、高学歴の人財の受け皿になっており、成長が著しい分野です。 台湾の高学歴人財は、欧米で博士号を取得している人も多く、英語が堪能です。

バイオ産業は、私達の業界で身近な医薬の分野だけでなく、生活に関係している所では、アグリカルチャーの分野があります。お祝いに送ることが多い高級な鉢植えの胡蝶蘭の苗は、実は台湾で培養され、培養した株を日本で栽培して管理され、花屋さんの店頭に並びます。

医薬の分野では、日本ではメガファーマが存在して医薬の分野を牽引していますが、周辺ビジネスのバイオ産業は、つい最近まで基礎研究の分野に向いており、バイオ医薬関連のレギュレーションに関連するアウトソーシングにおいては、取組みが欧米よりも20年、台湾と比べても7〜8年は遅れているのが現状です。

医療機器もまだ輸入超過の産業ですし、バイオ医薬品関連のGMP製造やGLP試験の受け皿については、ごく僅かしかなく、GLP試験については欧米に頼むしか無い状況でした。

特にウィルスクリアラランス試験については欧米の施設まで出向いて実施するのが通常でした。

私は、ふとしたきっかけで台湾のDCBの事を知り、8年前に施設見学に行き、しっかりした施設と体制が確立されている事が分かりました。 その半年後にメディリッジ(当社)でのサービス開始を前提に再度訪問して、今度はバイオ医薬品の安全性の担当者達と打合せを実施して、一人一人の知識の深さや前向きさを実感して、日本でバイオ医薬品関連の安全性試験全般の窓口として総代理店になることに決めて現在に至ります。

そのような経緯で、メディリッジでは台湾のTFBS社と提携してバイオ医薬品の安全性試験のサービスを日本国内に向けて開始して6年半以上が経ちますが、大腸菌や哺乳動物のセルバンクの特性解析試験、ウイルス等安全性試験、プラスミドやタンパク質医薬品のロットリリース試験などでの実績、腫瘍溶解ウイルスの体内の残存を評価する臨床検体の測定等々の多岐にわたって実績を積み重ねて参りました。2年前からは、遺伝子治療用のウイルス製造施設も新規にオープンし、治験用のベクター製造も開始しています。

抗体医薬品、タンパク質医薬品のCDMOであるEirGenix社と業務提携を開始して3年半が経ちます。EirGenix社は、近代的設備を持つ非常に勢いのある会社で抗体医薬品のGMP下での標識やタンパク質医薬品のGMP製造など実績を積み重ねております。

メディリッジでは、バイオ医薬品、遺伝子治療、再生医療などを実施する臨床の先生方や医薬品のメーカー様のお役に立てるように、私もお客様と一緒に勉強させて頂きながら研究から臨床へと橋渡し役ができますように精進をして参りたいと思います。 基礎研究から開発研究の早い段階でご相談頂ければ、アドバイスをさせて頂けることもあるかと思いますので、お気軽ご相談ください。

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写真は、マスターセルバンクのイメージです。
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